エッセンシャルオイルは「アロマオイル」として知られていますね。
「アロマ」とは「香り」「芳香」といった意味がありますが、エッセンシャルオイルはただ嗅いで心地よいだけのものではありません。
自分の健康を自分で管理することを可能にする、もっと強力な力のあるものなのです。
エッセンシャルオイルを使えば、睡眠の質を向上したり、ストレスを軽減したり、気分を向上したり、ホルモンバランスを整えたり、痛みを和らげたりなど、実に色々なことができます。
この記事では、なぜエッセンシャルオイルは健康に役立つのか、細胞レベルで解説していきます。
エッセンシャルオイルはその名の通り「オイル」なので、油です。
とはいえ、エッセンシャルオイルを直接触ったことがある人は分かると思いますが、オイルと付くのに「オイリー」ではないんですね。いわゆる油とは違い、ベタベタしていなくてむしろサラサラしています。
普段私たちが「油」として認識しているのは、不揮発性油(fixed oil)です。不揮発性油は、料理に使うオリーブオイルやバター、ココナッツオイルなどを指します。不揮発性油には中性脂肪などの「脂肪酸」が含まれ、蒸発しません。そして、室温の変化によって固まることがあります。
一方で、エッセンシャルオイルは揮発性油(volatile oil)といって、蒸発しやすい油です。揮発性油は、いわゆるオイリーな質感を持つ脂肪酸は含んでいません。
揮発性油は通常の油と同様、油に溶けやすく、水に混じりにくい性質があります。すぐに蒸発するので、お肌に直接付けてもベタベタ感を残すことはありません。
エッセンシャルオイルは水とは混じりませんが、油とアルコールとはよく混じります。油と混じって油分を分解するので、油汚れなどを取り去るのにも効果的です。
さて、エッセンシャルオイルがなぜ私たちの健康に役立つかというと、エッセンシャルオイルは「油性」で、私たちの体の細胞膜も「油性」だから。つまり、エッセンシャルオイルは細胞膜を通過することができ、私たちの細胞の健康に直接影響を及ぼします。
エッセンシャルオイルは、お肌に載せられると約21分で血流に乗ります(1)。
エッセンシャルオイルは様々な化学物質の集合体で、それぞれ異なる特質を持ちます。
例えば、ラベンダーオイルに含まれるリナロールは体のリラクゼーションを高めてくれます(2)。オレガノオイルに含まれるカルバクロールは、強力な抗菌・抗バクテリア効果を発揮し、炎症を鎮めてくれます(3)。
このように、エッセンシャルオイルは薬のように使うことができるのです。いや、むしろ薬よりも効果的なことがあります。
もう少し生物学の話をします。
細胞膜は細胞のまわりにある油性の膜で、外にあるべきものを外に、中にあるべきものを中に留めておく働きがあります。
ですが、バクテリアやウイルスに感染したとします。
バクテリアは通常、細胞膜の外に形成します。ウイルスは細胞膜の中に入り込みます。
なので、病院に行くとバクテリア感染の場合、抗生物質を処方されます。
抗生物質は効果的ですが、悪い菌と共に良い菌も殺してしまうので、お腹の中をめちゃくちゃにしてしまいます。良い菌は腸内環境を良好に保つ働きをするからです。
人によっては下痢、便秘、膨満感、ガスなど、消化器系のトラブルに悩まされることになります。また、女性に多いカンジダも抗生物質の摂取が原因で発症することがあります。
一方で、ウイルス感染の場合は通常、水をよく飲んで寝るように言われます。
処方される薬は、抗炎症薬だったり鼻水や咳止めだったり、症状を抑えるための薬ばかりです。ウイルス自体を撃退する薬は処方してくれません。
なぜなら、私たちが使っているほとんどの薬は、水溶ベースの合成薬だからです。
当然、水と油は混ざりません。
なので、水溶の薬は油性の細胞膜を通過することができないので、ウイルス対策にはなりません。
一方で、エッセンシャルオイルは油性で、細胞膜を行き来することができます。スターアニースオイルや、クローブなどに含まれるオイゲノール(eugenol)は、ウイルスの複製を止めることができることが分かっています(4)。
とはいえ、あるウイルスに効くオイルは別のウイルスには効かないということはあります。
また、現時点でCOVID-19に対するエッセンシャルオイルの有効性は証明されていませんので、「エッセンシャルオイルでコロナが治る!」なんてことは言うことはできません(オイルを売っている人でそんなことを言ってしまっている人もいますが…)。
症状が重い場合はいつでも病院に行くべきです。
ですがここで言いたいのは、エッセンシャルオイルはすごいパワーを秘めているのだということ。
私もちょっとした風邪くらいであれば、オレガノオイル、クローブ、オレンジ、シナモンバークのブレンドを飲んだり、お肌につけたりすることで治ってしまいます。
エッセンシャルオイルは細胞膜を通過し、健康に影響を及ぼせることがお分かりいただけましたでしょうか?
エッセンシャルオイルはただのアロマではなく、薬に似たようなポテンシャルさえも持っています。
現に、西洋医学が登場する前は、昔の人はみな植物の力に頼って健康を支えてきました。
症状が出たら薬を飲ませる治療が主流になっている今、予防医学としてもっとエッセンシャルオイルの活用が見直されてもいいのではないでしょうか?と私は思っています。
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